マンションを売却するときは、査定を依頼してすぐに売却できるわけではありません。売却準備から販売活動、売買契約、引き渡しまで複数の手続きを順番に進めていく必要があります。
初めてマンションを売却する方の中には、「何から始めればいいのかわからない」「売却完了までどのくらいかかるのか知りたい」と感じている方もいるでしょう。
売却活動は、あらかじめ全体の流れを理解しておくだけでも進めやすさが大きく変わります。次に何をするべきかがわかりやすくなり、慌てて判断する場面も減らせます。
ここでは、マンション売却の流れを10ステップに分けて解説します。
マンション売却の流れは全部で10ステップ
マンション売却は、大きく分けると準備・販売活動・契約・引き渡しの4つの段階に分かれます。
まずは全体の流れを確認しておきましょう。
| ステップ | 内容 |
| 1 | 売却相場を調べる |
|---|---|
| 2 | 不動産会社に査定を依頼する |
| 3 | 媒介契約を締結する |
| 4 | 売り出し価格を決める |
| 5 | 販売活動を開始する |
| 6 | 内覧対応を行う |
| 7 | 購入申込を受ける |
| 8 | 売買契約を締結する |
| 9 | 引き渡し準備を進める |
| 10 | 決済・引き渡しを行う |
それぞれのステップで何を行うのか見ていきましょう。
1. 売却相場を調べる
マンション売却を始める際、最初に行いたいのが相場の確認です。
自分のマンションがどのくらいの価格で売れそうなのか把握しておくことで、その後の査定結果や売り出し価格が適正か判断しやすくなります。
周辺で販売中の類似物件や、過去に取引されたマンションの事例を確認しておくと、おおよその価格帯が見えてきます。
相場を把握しないまま売却を進めると、高すぎる価格設定によって長期間売れ残ってしまうことがあります。反対に、相場より安く設定してしまえば、本来得られたはずの売却金額を逃してしまうかもしれません。
売却活動をスムーズに進めるためにも、まずは現在の市場価格を確認することから始めましょう。
2. 不動産会社に査定を依頼する
相場を確認したら、不動産会社へ査定を依頼します。
査定は不動産会社が物件の価値を判断し、売却価格の目安を提示するものです。
査定方法には机上査定と訪問査定があります。
机上査定は所在地や専有面積、築年数などの情報をもとに査定額を算出する方法です。短期間で結果がわかるため、おおよその価格を知りたい場合に向いています。
訪問査定は担当者が実際に物件を訪れ、室内の状態や眺望、管理状況などを確認したうえで査定を行います。より実際の売却価格に近い金額を把握しやすいのが特徴です。
査定額だけで依頼先を決めるのではなく、販売活動の方針や担当者の対応も確認しておきたいところです。売却活動は数か月に及ぶこともあるため、相談しやすい担当者を選ぶことも重要になります。
3. 媒介契約を締結する
売却を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。
媒介契約は、不動産会社に売却活動を依頼するための契約です。
主な種類は次の3つです。
| 種類 | 特徴 |
| 専属専任媒介契約 | 1社のみに依頼する契約 |
|---|---|
| 専任媒介契約 | 1社のみに依頼するが自己発見取引が可能 |
| 一般媒介契約 | 複数の会社へ依頼できる |
それぞれ特徴が異なるため、自分に合った契約形態を選ぶ必要があります。
販売状況の報告頻度や他社への依頼の可否なども異なるため、契約内容を確認したうえで判断しましょう。
4. 売り出し価格を決める
査定結果を参考にしながら売り出し価格を決定します。
査定価格はあくまでも目安であり、そのまま売却価格になるわけではありません。
価格を高く設定すれば高値で売れる可能性もありますが、相場とかけ離れていると購入希望者からの問い合わせが集まりにくくなります。その結果、売却期間が長引いてしまうこともあります。
一方で、早期売却を優先するあまり価格を下げすぎると、本来得られるはずだった利益を逃してしまう可能性があります。
売却希望時期や住宅ローン残高、住み替えの予定なども考慮しながら、無理のない価格設定を行うことが大切です。
5. 販売活動を開始する
媒介契約を締結すると、不動産会社による販売活動が始まります。
販売活動では、不動産ポータルサイトへの掲載や購入希望者への紹介などを通じて買主を探します。
購入希望者は掲載されている写真や物件情報を見て問い合わせを行うため、掲載内容は非常に重要です。
写真の見栄えや物件紹介文の内容によって反響数が変わることもあります。
掲載開始後は問い合わせ状況や反響数を確認しながら、必要に応じて価格や販売方法を見直していきます。
販売活動が始まったからといって必ずすぐに買主が見つかるわけではありません。状況を確認しながら進めていくことが大切です。
6. 内覧対応を行う
購入希望者から問い合わせが入ると内覧が行われます。
内覧は購入を判断するための重要な機会であり、売却活動の中でも特に重要な工程の一つです。
室内が散らかっていたり清掃が行き届いていなかったりすると、購入希望者の印象に影響することがあります。
そのため、内覧前には整理整頓や掃除を行い、できるだけ室内をすっきり見せることが大切です。
また、日当たりや収納の使い勝手、周辺環境など、実際に住んでいるからこそわかる情報を伝えることで、購入希望者の不安解消につながる場合もあります。
良い印象を持ってもらえるよう準備しておきましょう。
7. 購入申込を受ける
購入希望者が購入を希望すると、購入申込書が提出されます。
購入申込書には購入希望価格や契約希望日、引き渡し希望時期などが記載されています。
提示された条件が希望と異なる場合は、価格や引き渡し時期について調整を行うことになります。
売主としては価格に目が向きがちですが、引き渡しスケジュールや契約条件も重要な確認項目です。
双方が条件に合意できれば、次の売買契約へ進みます。
8. 売買契約を締結する
条件がまとまったら売買契約を締結します。
契約当日は契約内容の確認や重要事項説明が行われます。
契約書には売却価格だけでなく、引き渡し日や契約解除に関する内容、設備の引き渡し条件なども記載されています。
内容を十分に確認しないまま契約してしまうと、後から認識の違いが生じる可能性があります。
不明点があれば事前に確認し、納得したうえで署名・押印することが大切です。
契約締結後は買主から手付金を受け取るのが一般的です。
9. 引き渡し準備を進める
売買契約が終わると、決済と引き渡しに向けた準備を進めます。
住宅ローンが残っている場合は完済手続きや抵当権抹消の準備が必要です。
また、引っ越し日程の調整や荷物の整理も進めていかなければなりません。
管理会社への連絡や各種住所変更手続きなど、引き渡し前に行うことは意外と多くあります。
必要書類に不足があると決済当日に手続きが進められないこともあるため、余裕を持って準備を進めておきましょう。
10. 決済・引き渡しを行う
最後に決済と引き渡しを行います。
決済当日は金融機関や司法書士、不動産会社などが関わりながら手続きを進めます。
買主から残代金が支払われ、所有権移転に必要な手続きが行われます。
売主は入金を確認した後、鍵や関係書類を買主へ引き渡します。
引き渡しが完了すると、マンション売却の一連の流れは終了です。
マンション売却の流れで準備しておきたい書類
売却を進める際は、必要書類を早めに揃えておくと手続きがスムーズになります。
主な書類は次のとおりです。
- 登記済権利証または登記識別情報
- 本人確認書類
- 印鑑証明書
- 固定資産税納税通知書
- 管理規約
- 間取り図やパンフレット
- 住宅ローン関係書類
査定時や契約時、引き渡し時など、書類が必要になるタイミングは複数あります。
手元にない書類がある場合は、取得方法も含めて早めに確認しておくと安心です。
マンション売却にかかる期間の目安
マンション売却は査定を依頼してから引き渡しまで一定の期間がかかります。
特に時間がかかりやすいのが販売活動です。
購入希望者がすぐに見つかればスムーズに進みますが、市場状況や価格設定によっては想定より時間がかかることもあります。
また、売買契約後も引っ越し準備や住宅ローンの手続きなどが必要になるため、契約後すぐに引き渡しが行われるわけではありません。
住み替えを予定している場合は、新居への入居時期との兼ね合いも考えながら余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
まとめ
マンション売却は、相場の確認から始まり、査定、媒介契約、販売活動、売買契約を経て引き渡しへ進みます。
流れを理解しておけば、各段階で必要になる手続きや準備を把握しやすくなり、売却活動も落ち着いて進められます。
特に査定依頼や不動産会社選びは、その後の売却活動に大きく関わる重要な工程です。全体の流れを押さえながら計画的に進めていきましょう。
