不動産売却では、ひとつの判断が売却価格や売却期間に大きく影響します。実際によくある失敗の多くは、準備不足や相場の見誤り、不動産会社選びでの判断ミスによって起こっています。
売却を進める前に避けるべきポイントを知っておけば、余計な損失やトラブルを防ぎやすくなるでしょう。
家を高く・スムーズに売るために絶対やってはいけない10のNG行動
不動産売却は、準備・価格設定・不動産会社選び・売却後の手続きまで含めて進めるものです。どこかで判断を誤ると、思うような価格で売れなかったり、手続きが滞ったりすることがあります。
ここでは、不動産売却で避けたい10のNG行動を紹介します。
必要書類の準備を後回しにする
不動産売却で起こりやすいトラブルのひとつが書類不足です。必要な書類が揃っていないと、契約や引き渡しのスケジュールに影響が出ることがあります。
書類の不備が契約解除のリスクを高める
売買契約では、登記関連書類や本人確認書類、住宅ローンに関する資料などが必要になります。
必要な書類を用意できない状態が続くと、買主に不安を与え、取引が予定どおり進まなくなる可能性があります。
不動産の種類別、必要な書類
主な必要書類は次のとおりです。
- 登記済権利証または登記識別情報
- 固定資産税納税通知書
- 本人確認書類
- 住宅ローン残高証明書(該当者のみ)
売却を検討し始めた段階で確認しておくと、その後の手続きもスムーズに進めやすくなります。
住宅ローン残債を把握せずに売却計画を立てる
住宅ローンの残債を確認しないまま売却を進めると、売却後に資金計画が崩れることがあります。
売却価格がローン残債を下回る場合は、不足分を自己資金で補う必要があります。まずは金融機関から残高証明を取得し、完済できる見込みがあるか確認しておきましょう。
売却準備のリフォームに多額の費用をかける
高く売るためにリフォームを検討する方もいますが、かけた費用をそのまま売却価格に反映できるとは限りません。
購入後に自分好みへリフォームしたいと考える買主も少なくないためです。売却前は大掛かりな工事よりも、清掃や軽微な修繕を優先したほうが負担を抑えられます。
高すぎる売却価格を設定する
相場とかけ離れた価格で売り出すと、問い合わせや内覧が集まりにくくなります。
売却期間が長引いた結果、途中で価格を下げることになり、最終的に想定より低い金額で成約するケースもあります。売却を有利に進めるためには、市場に合った価格設定が欠かせません。
査定価格が高いだけで売却を決める
査定額が高い会社に魅力を感じるのは自然なことですが、査定価格だけで判断するのは危険です。
売り出し価格と成約価格には差がある
売り出し価格と実際の成約価格は同じとは限りません。
査定額が極端に高い場合は、その価格で売れる根拠が十分に示されているか確認することが大切です。
査定額だけでなく販売力も確認する
不動産会社を選ぶ際は、査定額よりも根拠の説明や販売戦略に注目しましょう。
どのように購入希望者を集めるのか、どの媒体で広告を出すのかなど、具体的な提案があるかどうかも判断材料になります。
ここからは不動産会社との付き合い方のNG
不動産売却では、不動産会社との関係が結果を左右します。
ここからは、不動産会社選びや付き合い方で注意したいポイントを見ていきましょう。
仲介手数料の値下げだけを優先する
仲介手数料を安くしたいと考える方は少なくありません。
ただし、手数料の値下げだけを重視すると、販売活動や広告展開に影響する可能性があります。目先の費用だけで判断せず、どのような売却活動を行ってくれるのかも確認しておきたいところです。
友達・知り合いの会社だけに依頼する
知人の紹介や友人が勤める不動産会社であれば安心感はあります。
しかし、その会社が売却する物件の種類や地域に詳しいとは限りません。
例① 駐車場をメインに扱う会社
取り扱う不動産の種類が異なる場合、住宅売却のノウハウが十分ではない可能性があります。
例② 賃貸物件の管理会社
賃貸管理を中心に行う会社と、売買仲介を得意とする会社では業務内容が異なります。
例③ 知り合いだから本音を伝えにくい
価格や販売方法について疑問があっても、遠慮して意見を言いづらくなることがあります。
信頼関係だけで決めるのではなく、売却実績や提案内容も確認しておきましょう。
1社だけに査定を依頼する
1社だけの査定では、その価格が適正なのか判断しにくくなります。
また、会社の知名度だけを理由に依頼先を決めると、比較検討する機会を失うことにもなります。
複数の不動産会社から査定を取ることが重要
査定価格や販売方針は会社によって異なります。
複数社を比較することで、相場観をつかみやすくなり、自分に合った不動産会社も見つけやすくなります。
1社だけの査定では適正価格が分からない理由
主な理由は次の2つです。
- 査定基準が会社ごとに異なる
- 営業目的で高い価格を提示する場合がある
比較することで、価格の妥当性を判断しやすくなります。
売却活動を不動産会社任せにしない
売却は不動産会社だけで進めるものではありません。売主自身が状況を把握しながら進めることも大切です。
売り出し価格を決める
市場動向や査定内容を踏まえながら、現実的な価格を設定します。
内覧準備を始める
室内を整理整頓し、清潔な状態を保つことで印象が変わります。
撮影対応や広告内容を確認する
掲載される写真や紹介文は購入希望者の判断材料になります。内容に問題がないか確認しておきましょう。
売却状況を定期的に確認する
問い合わせ件数や内覧数を把握することで、価格や販売方法の見直しにもつながります。
売却後の税金や手続きを忘れる
売買契約が終わっても、不動産売却に関する手続きは残っています。
売却益に対する税金を確認する
売却益が発生した場合は、譲渡所得税や住民税の対象になることがあります。
所有期間によって税率が変わるため、事前に確認しておくと安心です。
必要な手続きを後回しにしない
確定申告や登記に関する手続きなど、売却後に対応が必要なものもあります。
手続きを忘れると後から対応に追われることもあるため、売却前から流れを把握しておきましょう。
まとめ
不動産売却の失敗は、特別なミスによって起こるものではありません。必要書類の準備不足や相場を無視した価格設定、不動産会社選びの判断ミスなど、小さな見落としが積み重なった結果として起こるケースがほとんどです。
特に、査定価格の高さだけで依頼先を決めたり、1社だけの査定で売却を進めたりすると、適正価格を見極めることが難しくなります。また、売却活動をすべて不動産会社任せにせず、売主自身も状況を把握しながら進めることが大切です。
不動産売却を成功させるためには、まず相場を知り、複数の不動産会社を比較したうえで、自分に合った売却方法を選ぶことが欠かせません。事前準備を整え、一つひとつの判断を丁寧に進めることが、納得のいく売却につながります。
